春の花々はスプリング・エフェメラル(Spring ephemeral)とも言われ、春を呼ぶ妖精とも言われていますね。
日増しに力強さをましていく陽射しを受けて、モノトーンの森に色を添えていきながら咲く山野草は、まさに妖精そのもの。
カタクリの花もスプリング・エフェメラルのひとつですね。
先日見に行ったセツブンソウの可憐さも好きですが、カタクリからは春の力、生命力を感じるんですよね。
そんなカタクリの花が満開だという情報をキャッチして、岐阜県可児市・鳩吹山の北麓にある可児川下流域自然公園園へ行ってきました。
カタクリは地表から10センチほどの茎を伸ばした先に薄紫色と濃い桃色ともいえる花をつけます。
足元に咲いていれば、気づける大きさですね。
太陽があたると花が開き、時間とともに花弁が反り返ってゆきます。
また、陽が当たらなければ花は開きません。
つまり天気の悪い日に見に行くと、せっかく見に行ったのに花が開いていない!という光景を目の当たりにします。
時間帯によって花の開き方も違うし、天気によって花の姿も違う特性を持っているので、見に行くタイミングは見計らってくださいね。
カタクリは、虫、特に蜂に受粉を手伝ってもらう花なので、冬の寒さから目覚めて間もない虫達を集めるのに、太陽の力を借りているんだなぁと想いながら見つめておりました。
下向きに咲くのも受粉しやすくするためなんでしょうね。
そう、こうやって花を見ながらあれこれ考えていると、植物って動けないだけに、子孫を残すためにどれだけの機能を持っているんだろうとホント感心します。
日照、気温、湿度などなど、人には感じられない変化を捉え、それに対応しているんですもんね。
カタクリは群生することが多いんですが、鳩吹山のカタクリの群落はそれは見事でした。
あたり一面、薄紫色に染まる光景に『こりゃ、スゴイ!』
思わず声が出ちゃいました。
間際まで寄って花を愛でることができます。
この美しさは保全のために努力されてる方々の賜物ですね。
感謝しながらカタクリを愛でさせていただきました。