『幻の大陸』
この言葉を聞いて何を想像しました?
私がこの言葉に心躍らせたのは学生の時でした。ワンダーフォーゲル部の春合宿先を探していたときです。
いろいろと調べていくうちに、その姿が見れるのは年に数回、しかも数時間だけだといいます。
いつかこの目で見てみたい!
そんな想いを抱いて20数年がたちました。
どこにあるの?
沖縄県・宮古島の北にある池間島の地図です。
池間島が「幻の大陸」ではありませんよ。
ご覧のとおり、人も住んでるちゃんとした陸地です。
この池間島から地図を北へスクロールしてみてください。
(右下で「-」を1回押してひとつだけ縮小した方が見やすいです。2回以上押してしまうと海しか見れません)
こんな記号とカタカナの名前が見えますね。
そのまま北へ(上へ)どんどんスクロールしていくと、海の中にたくさんの名前があるのが確認できるかと思います。
その中に「八重干瀬」という文字が出てきませんか?
「八重干瀬」と書いて「やびじ」と読みます。
これが『幻の大陸』です。
八重干瀬は大小100を超える日本最大の卓状のサンゴ礁群
地図で見ていただいたこの記号は、海岸などで干潮時には水面上に現れ、満潮時には水面下に沈んでしまう岩をあらわしていて、隠顕岩と言います。
「八重」=たくさん、 の「干瀬(びせ)」
「八重干瀬」は、地図や名前があらわすとおり、池間島北5キロから22キロの沖合に点在する、大小100を超える巨大なサンゴ礁群です。
広さは、東西約6.5キロメートル、南北約17キロメートル。
広さがピンとこないので東京ドームに換算してみました。
2363個分
うーん。数が多すぎてわかりにくい(笑)
東京・山手線1周の内側面積と比較すると?
約1.75倍
少しはピンときたでしょうか。
八重干瀬は、日本最大の卓状のサンゴ礁群として、2013年には国の名勝・天然記念物にも指定されています。
(意外に最近ですね)
大潮の干潮時 数時間だけ浮上する『幻の大陸』
こんな広大なサンゴ礁群が、春から夏にかけての大潮の時期、海面上に姿を現します。
しかも干潮時の数時間だけ。
海面から高さ約1メートル、宮古島の約3分の1の面積におよぶサンゴ礁群が”浮上”する。
それが八重干瀬が『幻の大陸』といわれる理由です。
NPO法人いけま福祉支援センターのサイトに掲載されている 八重干瀬地図 が詳しいので見てみてください。
それぞれのサンゴ礁には、ひとつひとつ名前がつけられています。
魚介類、頭や胃など人体の一部など、池間島の言葉なのでこれだけ見ていると何のことやらさっぱりわかりません。
でも、見てるだけでも、こんなものが年に数回、数時間だけ海の上から見れるってワクワクしてきませんか?
2014年 春 沖縄 宮古島 八重干瀬 上陸 関連記事はこちら
2014年春、長年の願いが叶い『幻の大陸・八重干瀬』が浮上する姿を見に行くことができました。
海面から見せるその姿は壮観そのもの。「大陸」という言葉も大げさではないと思えました。
そして、幸運にも「最後の」上陸ツアーに参加することもできました。
その体験を何回かに分けてご紹介していきたい と思います。
宮古島 八重干瀬 最後の上陸ツアーに参加できたのはマイレージプログラムのおかげ-2014年 春 沖縄 出歩記- | 風の森遊