ベネディクト・キャリー 著「脳が認める勉強法」を読みました。
なんと言っても帯が強烈でしたね
「ちまたの勉強常識は間違いだらけ!?」
この言葉に惹かれて手にとってみると、勉強がイヤだという子供が喜びそうな言葉が並んでました。(笑)
気晴らし、休憩、落ち着きのなさ、途中で放棄、寝る は学習を助けている。
えー!(笑)
これらが脳が認めた学習方法だというからおもしろい。
学習する時やってはいけないものの筆頭みたいなのが、脳が認める学習法なんだ!
さらに、「勉強の儀式を守ろうとする人々」なんて言葉もあって、子供に勉強をして欲しい親としてはギクリ。
私が一番おもしろい と思ったのはこの「儀式」の話。
儀式とは、勉強する環境や状況のこと。この言葉からこんな状況が思い浮かびました。
静かな場所で、イスに座って、決まった時間に、学ぶ。
身に覚えがあるよね?
そう、学校の授業。
実はこういった同じ環境でしか学習しないことは「非効率」だと本書には書かれています。
じゃあ、どんな方法が脳が認める勉強法なの?
環境を変える、手順を変える、時間帯を変える といいんだって。
本書の中で、同じ単語を、同じ順番で、同じく時間をかけて覚えるのに、勉強する部屋を変えた場合と、部屋を変えずにやった場合を比較した研究結果が紹介されています。
結果には著しい差が出たそうで、同じ部屋で勉強した人より、部屋を変えて勉強した方が40%多く単語を覚えていたそう。
驚いた! 単純に部屋を変えただけでこんなに違うの?!
理由はわからないらしいけど、単語を思い出そうとしたとき、部屋を変えたグループはそれぞれの部屋の環境(見たこと、明るさ、音、香りなど)を合わせて覚えていて、思い出そうとした時にその環境を脳内で蘇らせ、1の部屋の環境がダメなら、2の部屋の環境を、と環境の記憶から思い出そうとしているらしい。
だから1つの部屋での記憶しかないと、それ以上思い出せなくなる。
その単語だけじゃなくて、環境も一緒に記憶しているんだね。そんなこと意識してないから、無意識にやってるんだよね、これ。脳ってすごい!
こんな例えだとわかりやすいんじゃないかな。
友達と話していて、とある俳優さんの名前が思い出せない時、あのドラマに出てたよね? とか、あの映画にも出てた! とか、雑誌の特集になってたじゃん! とか、いろんなところから記憶を引っ張り出して思い出そうとする。こんな体験は誰でもあるよね。
その俳優さんの名前を記憶した環境(状況)が多ければ多いほど、脳がその記憶を思い出すヒントは多くなる。
そういうことらしい。
様々な環境(状況)で記憶していれば、脳は環境(状況)が変わっても対応できるように働く。どんな状況でも思い出しやすくなる。
人生には、抜き打ちテストをされるときもあれば、自発的に何かに参加するときもあれば、即興で何かをしないといけないときもある。(中略) いつもの手順や環境に変化を持たせれば、予行演習の内容が豊かになる。(中略) 自分を取り巻く環境に頼らなくても知っていることを思い出しやすくなる。
他にも「学習する方法は選べる」んだってことが書かれていて、勉強への思い込みを手放すには最適な1冊だと思いました。
「結局はあなたのすることがすべて学習」
そんな言葉で最後が括られています。
付録の「学習効果を高める11のQ&A」だけを読んでも要点がわかるので、興味が湧いたらぜひ一読してみてください。
私も今日から早速、立って勉強したり、ベランダでやってみたり。あたたかくなったら公園や森でもやってみようっと♪