西表島で訪れたお店で不思議なものを発見しました。
なんかのタネと一緒にある、この細長い、インゲンみたいなものはなんだ?!
長さは20センチぐらいで、身はかたい。
食べ物??
オーナーさんに聞いてみると、
『それ、マングローブのタネですよ。種類は育ってみないとわからないけど。』
へ!
そうなんだ!!
こんな形してるんだ!!
と、そこからひとしきり、マングローブトークで盛り上がりました。
マングローブというのは、熱帯の河口、汽水域に広がる木。
そう、あのタコの足のような木の総称で、植物種の名前ではありません。
西表島には7種が生息しています。
聞けば、そのお店では、マングローブを研究されている方が常連さんだそうで、店内でも育てていらっしゃいました。
『お水につけておくだけで育ちますよ』
なんと!
そんなに簡単なのか!!
しかもペットボトルを切っただけの容器!
いたく感心しながら、店内にあったマングローブの本を読んでいると、
『タネ持っていっていいですよ〜』
え!
いいんですか?
『育つかどうかわからないから、3つぐらい持ってっていいですよ〜』
わーい!嬉しい!
『港でも売ってるし、持ち帰ってもらっても問題ないと思う。』
そ、そうですよね。
国立公園の中だし、特定保護地区だったら落ち葉、実、種、落ち枝だって持ち出し禁止ですから。
早速調べました。
西表島の特定保護地区は島の中央部だけ。
でも、他の特別地域でも、指定植物は持ち出せません。
うん。
ヒルギ科は指定植物になってない。
ほ。
ひと安心。
ということで、大事に大事にタネを持ち帰ってきました。
マングローブのタネの知恵
マングローブのタネは胎生種子という特殊なタネなんだそうです。
花が咲き終わったら実になりますよね。
そして木から落ちる。
ところが、マングローブは、実になっても木から落ちず、木にぶら下がったまま発芽するんだそうです。
それでこんなに長い形をしているんですね。
ちょこっと芽みたいなのが出たいるのが上。
実と繋がっていた部分です。
そして、20センチ程度まで育つと、落ちるそうです。
で、すごいなぁと思ったのは、このタネ。
海を漂ってるんですよ。
カヌーをした日に気がついたんですが、この上下を保ったまま、芽から半分くらいを水面から出し、ぷかぷかと海を漂ってるんですよ!
潮の流れにのって子孫を遠くまで運び、着地できる環境を見つけるとそこで根を張り、繁殖してるんですね〜
あまりにあたりまえの光景だったので、ぶら下がってるタネも、海を漂ってるタネも写真撮り忘れました (^◇^;)
今度行ったら撮ってきますね。
この胎生種子はたっぷり栄養を蓄えているようで、汽水域という過酷な環境で生き抜ける知恵がこのタネに詰まってるんですね。
水につけて5日で動きアリ!
帰宅して、早速水につけてみました。
ネット検索してみると、土に植えるのが成長が早そうですが、オーナーさんが話していたとおり、まずは水だけで育ててみることにしました。
ガラスの器だと根が動く様子もわかるしね。
家にあったガラス製の花瓶に水道水を入れて、海で見たように、タネの半分くらいが浸かる状態にしてみました。
で。
なんと、5日目で下の方に盛り上がってる部分が!
根が動いてるのかしらん。
ワクワク♪
7日目で根が出てきた!
沖縄の環境に近い、強い太陽光が当たる室内に置いています。
元々の生育環境に近づけるのが植物を育てる基本ですからね〜
それが良かったのか、7日目で根らしきものが出ていることに気づきました。
早いなぁ。
根が動いているということは、我が家という環境に早くも馴染んで成長をはじめている証拠。
西表島より暑い名古屋の夏で良かった(笑)
ただ外は地面からの照り返しもあって、おそらく西表島より過酷な環境…
当面、室内の日向で育てています。
ネット検索してみると、エアコンの室外機の前で育ててた方もいるようですが(^^;;
まだ、上部には動きはないです。
霧吹きすると発芽が早いなんて情報もあったので、湿度が大事かもですね。
まさに熱帯の植物。
ご縁あって我が家にやってきたマングローブのタネたち。
とても自力で来れるところじゃないけど、これもなにかのご縁であり、流れ。
水だけで育つという、この子達の中に眠る生命の知恵、いのちの力を信じて、成長を楽しみたいと思います。
濁るまで水も変えなくてもいいなんて、ズボラなわたし向きだし(笑)
そもそもヒルギ類は成長が遅いようですが、早い動きにワクワクするぅ(゚▽゚)♪
長い目で見守っていこうと思います。
何か変化があったら、また書きますね〜