入院から1週間、手術から5日目、ICUから出て3日目。
いろんな動きがあった合宿8日目「その3」です。
昼夜完食!
久々に味わうことができる食事が嬉しくて、昼夜とも完食!
もっと食べたい(笑)
“味わえること”“味を感じられること”があたりまえでないことを身をもってわかると、どんなものでも美味しくいただける。
美味しく味わって食べられることは、どんな食事療法よりも効果があると実感できる。
どれだけ体が喜んでいるか!
よーくわかった。
食べることの歓びを心底知ることができたと思う。
そして、食べることは生きることでもある。
生きる歓びが食にあるっていうのはこういうことを言うんだなぁ。
この体験を通して、これからの食事に対するイメージは大きく変わってゆくだろう。
食べる時に必ず使う“舌”を感じながらね。
経口で食事ができるようになったら鼻の管が抜けた!
夕食後、先生が顔を見にきてくれた。
『食事はとれましたか?』
『はい!食べにくさはありますけど、美味しく完食しました! 』
『薬も口から飲めてるようなので、鼻の管取っちゃいましょう。』
なんと!
早くも鼻の管が抜けることに!!!
しばらく動かしていなかった舌の影響か、喉頭痙攣の影響かはわからないけれど、まだ 形がある物を飲む込むのは若干辛い。
なので錠剤の薬は錠剤のまま飲み込めず、お湯に溶いて飲んでいた。
胃管の時は味がしなかったから平気だったのだけど、経口でお湯に溶かした薬を飲むと味がするだけに超まずくて涙目。
それでも、看護師さんに「口から薬が飲めるようになると、鼻の管抜けますからね」と言われていたので、まずいのをガマンしながら頑張って飲んでいたのだ。
それが早速今日抜けるなんて、嬉しすぎる!
病室のベッドの上で、そのままスルスルと胃管を抜いてくれた。
『この管あるだけで苦しいですよね。』
『僕たちも自分たちでやるんですけど、あるだけで苦しいですよね』
えええー!
『自分たちでやるんですか?(冷汗』
『うん。実験とかでね。』
ひー!!
先生たち、自分たちで実験するんだ!
ドエ…む…(笑)
でも、だからこうやって、患者の辛さにも共感できるんだね。
先生たちの努力って、きっと半端ない。
そう思ったら、そのたゆまぬ研究心を素直に尊敬できた。
喉頭痙攣はかなりレアケースだった
『喉の方はどうですか?』
先生に喉のことを聞かれたので、あわせていろいろ聞いてみた。
すると、
『僕が医師になって20数年経ちますが、お子さんもあわせて喉頭痙攣は初めてでした』
ええっ!
手術室の断片的な記憶だけだけど、先生はめちゃめちゃ冷静に対応されてる印象だった。
先生の落ち着いた声に安心したぐらいだ。
なのに、初症例だったとは!!
だからどことなく先生の態度が慎重で、やたら喉のことを聞くのはそのせいだったんだなぁ。
それにしても、あの冷静沈着さは素晴らしい!
さすが!
それにしても今までにかなりの数の手術をされているだろうに、初だったとは…
先生にお聞きすると、この病院全体でも年数例らしい。
担当の先生の話を聞いて、手術前の麻酔同意書を見返してみたら、喉頭痙攣の発症率は0.2〜10%と書かれていたけれど、そんな数字じゃない気がする。
病院の手術室という、ある意味最も安心できる場で発症してるから死に至ることはないとは思うけど、貴重な体験をしたことには違いないな。