入院から1週間、手術から5日目、ICUから出て3日目。
いろんな動きがあった1日でした。
書きたいことがありすぎて長くなったので、合宿8日目「その2」です。
手術室の看護師さんに再会!
まだ若干フラつく頭を支えながら、ランチ後の病棟をヨタヨタと散歩していると、「会いたいなぁ〜」と思っていた人に会えた!!
それは、手術室の看護師さん。
あのBeingの素晴らしい看護師さんだ。
お互い目が合った瞬間に『あー!!』と声を上げて、手を握りあった。
『退院するまでにお会いできないかなぁ〜
と思ってたんですよ!』
『お元気になられてよかったー!!』
この看護師さんにはお伝えしたいことがあったので、退院するまでに会えるかなぁ、もし会えなければ手紙でも書いて退院しようかな と考えていた矢先だったのだ。
手術室という職場ゆえ忙しいだろうし、まさか退院までに会えるとは思ってもいなかった。
だから、まず、彼女と話せる時間があるか聞いてみた。
『いいですよ〜 わたしも会いたかったんです。とっても嬉しい』
優しい笑顔で、そう言ってくれた。
エレベーター前にあるソファに座った。
『その後体調どうですか?』
そうそう。
手術室専任の看護師さんなので、手術室でわたしが喉頭痙攣を起こした後、どうなったかは知らないのよね。
手術室で呼吸困難になって、その後ICUに行ったきりだもんね。
ICUには担当の先生の他、手術に立ち会った麻酔科の先生も来てくださったけど、彼女は来ていない。
『おかげさまで、元気になれました』
そう言うと満面の笑みで応えてくれた。
うんうん。
この笑顔に心が緩む。
手術日の日記にも書いたが、わたしには手術室での記憶がほとんどない。
でも、彼女はあの日、手術室で起こったことの一部始終を知っている。
『驚いたんじゃないですか?こういうことってよくあるんです?』
そう彼女に聞くと静かに首を横に振って
『珍しいケースではあるけれど、麻酔科の先生が落ち着いて対処されていたのでね。』
『担当の先生の声は聞こえていたので、少しだけ覚えてるんですけど、あとは何がなにやら。
記憶ないんですよ』
『うん。なくていいと思う』
覚えてない方がいいくらいの状態だったんだろうなぁ。
病棟に帰ってきた日の看護師さんの反応といい、相当なレアケースだったんだろう。
でも、一般病棟に戻った日に、手術後の時間の経過をけんちゃん(夫)に聞いたが、実は非常に短時間の出来事だったらしい。
手術室に入ったのが9時。
その後、10時半に先生から手術の経過を聞いたそうだ。
予定では、手術自体は1時間程度で、その後回復室で様子を見て、問題がなければそのまま病室に帰ると聞いていたので、手術は予定どおりの時間で終わっていたのだろう。
ただ、わたしは麻酔を抜く時に喉頭痙攣を起こした。
10時半の段階では、手術台で様子を見ていると説明を聞いたそうなので、麻酔科の先生がいろいろ処置してくださっていたのはこの時だろう。
その後11時に、戻らないので再び挿管して気道確保をして、一晩ICUで様子を見ます と再度話があったらしい。
わたしが『挿管するか』と先生の声を聞いた記憶があるのはこの時だったのね。
この30分余りの時間、麻酔科の先生をはじめ担当の先生や彼女は全力で対応してくださったことだろう。
おかげで、こうやって彼女に再会し、お礼を伝えることができた。
『その後、蕁麻疹はどう?』
蕁麻疹のことも気にかけて、手術前日にテープテストをしてくれたのも彼女だった。
『少し落ち着いたみたいですけど、薬はまだ飲んでます。』
『そうだね。ちょっと過敏になってるのかもね。
蕁麻疹も、喉のことも』
『そうかもしれませんね。』
蕁麻疹は全身に出るので、時と場合によっては喉が腫れたりすることもあるだろう。
そんなことも喉頭痙攣には影響しているのかもしれないな。
体のことだけでなく、わたしが伝えたかったことも彼女に伝えることができた。
それは、彼女の在り方がどれだけ患者を癒し、気持ちを楽にさせているかということ。
わたしが手術前日、思わず涙をこぼしてしまったように、彼女に話を聴いてもらっていると、自然とハートが開き、話せてしまう。
これがどれだけ患者を癒しているか。
言えることは、癒えること。
在り方を学んでくる中で、言えること、話せることは誰に対してもできるものではなく、聴く側の在り方にもよるところが大きいと体験をもって知っている。
その聴く側の在り方が、彼女は自然にできていた。
それがどれだけ素晴らしいことか、それを彼女にどうしても伝えたかった。
この話さえも、うんうんと優しい笑みで聴いてくれる。
話し手の話を一切ジャッジせずに聴く。
これがどれだけ難しいことか。
それが自然にできちゃう彼女はホントに素晴らしいと思う。
『お仕事なんでね、辛いこともあると思うんです。
でも、そんな時はわたしみたいに、話を聴いてもらえただけで気持ちが楽になった人もいたってこと思い出してください。』
最後にそう付け加えた。
『会えただけでなく、そんな話を聴けて、涙が出そう。今日は嬉しいことがあったわ。』
とても嬉しそうに笑った。
しばらく会話をして、改めて感謝の気持ちを伝えて、彼女と別れた。
彼女は在り方も素晴らしいし、笑顔もとびきり素敵だ。
たくさんの看護師さんにお世話してもらったけど、彼女の存在はわたしにとってはピカイチだった。
彼女は看護師をするために生まれてきたような人だと思う。
彼女みたいな人に出会えたことは、この入院生活では心温まる思い出だ。
それが退院までに伝えられて、わたしも嬉しかった。
これで、退院までにやっておきたいことがまたひとつできた。
この日はまだまだ残しておきたい話があるので、「その3」に続く。