末っ子が巣から落ちること4回目の翌朝、聞いたことのない甲高いツバメの鳴き声で、いつもより1時間も早く目が覚めました。
寝ぼけた目でベランダを覗いてみると、「ごはんー!!」と鳴く子供たちの目の前にただいるだけの2羽の成鳥。
いつもなら寝起きのこの時間はひっきりなしにエサを運んでいるのに、なんだか様子がおかしい。
子供たちはお腹が空いているので激しく鳴きまくってるし、成鳥はそれが全く見えないかのよう。
成鳥は何回かロープと外の電線を行き来するもののエサを運んでくる気配はない。
昨夜の出来事もあり、お父ちゃんお母ちゃんが子供を見捨てた? そして別の成鳥が来てる??
そんなことも頭をよぎったけど、大家はそれより末っ子が気になる。
巣から顔を出しているのは4羽。
末っ子の姿は見えない…
そんな異常事態が1時間ほど続いた時に、成鳥がベランダの軒下の中で飛び回る姿を見てピンときました。
巣立ちを促しているのです。
すかさずカレンダーを見ると、卵から孵って間もなく3週間。
そっか、もうそんな時期なんだなぁ と。
一昨日ロープに3羽がいたのも、巣が突然崩れたというより、巣立ちをしようとして巣が壊れ、末っ子はその巻き添えで落ちたんだ と 想像できます。
成鳥はもちろん両親で、特にお父ちゃんが飛び方を見せる姿は昨年と全く同じでした。
子供たちを焦らすためにあえて子供たちの前で羽繕いする姿は子供たちに必死にエサを運んでいた時期には見られない光景です。
「こっちにおいで」と言わんばかりに、エサを加えたまま子供たちの目の前にいるだけだったり、口には何もくわえずエサを与えるフリだけして、巣から離れる。
お腹が空いた子供たちの食欲を使って、巣立ちを促す姿に、親鳥の知恵を感じます。
こうなると大家は全力応援体制。
窓際に座り込み、子供たちを驚かせない程度に見守るのが楽しくて仕方ありません。
やがて2時間たち、巣から全く出ようとしない子供たちに、両親も諦めたのかエサを運び始めました。
今回は子供たちの”空腹”が勝ち(笑)
お腹が満たされると子供たちも落ち着きました。
でも、親は子供が巣から出てくるまでこんな行為を繰り返します。
やがて勇気ある1羽が外に出ると、それに続くように兄弟たちが巣から出てゆきます。
昨年はこの巣立ちを一部始終見守ることができたのですが、今年はこの姿を見守れないのがちょっと残念。
休日にしてくれればいいのに。
というのは大家の勝手な想いです。(笑)
きっと夕方には何羽かが巣の外に出ていることでしょう。
末っ子もひと足早く巣立ちしました
子供たちのお腹が満たされ、落ち着いたのを見計らって、巣の中を覗きました。
もう4羽の子供たちは大家が巣に近づいて手を入れてももうビックリしません。
巣の中に手を入れて、子供たちをちょっと横に避けると、そこには昨夜の姿のままの末っ子がいました。
せめて朝まで兄弟の元で、と思っていたので、仕方ないと思いながらも悲しい再会となりました。
このまま兄弟の元に、とも思いますが、巣の中が不衛生になってしまう可能性があるので、そっと末っ子を巣から連れて出します。
冷たくなった末っ子をよく頑張った褒めながらたくさん撫でてやりました。
3回も落ちながら、それでも生きようとする力にたくさんの励ましももらいました。
生命あるかぎり生き抜こうとする力。
いつも自然にはその力強さを教えられます。
まずは2羽が巣立ち
夕方帰宅すると、2羽が巣に残り、後の2羽はロープにいました。
いきなり飛べるわけではないので、今日はこのひと飛びが精一杯でしょう。
そのままの場所で夜を迎えました。
もうちよっと飛べるようになると、寝るために巣に戻ってきますが、今日はその力も残っていなさそう。
最初のひと飛びでたどり着いた場所でそのまま寝ていました。
巣の外で寝るのも初体験。
でもこれが自然の姿ですからね。
大家のところは軒下ならカラス除けの中なので勇気を出して巣から出て寝ても大丈夫です。
明日明後日と子供たちは次々と巣から出て、日中は巣の外にいながら、少しずつ飛ぶ回数を増やし、やがては大空の下へ出てゆきます。
あと少しで、子供たちのカワイイ姿も見納め。
大家はその日まで、応援を続けます。