許しは緩し

人は何かに対して「許せない!」と思っていると、そのことに無意識に、無自覚でエネルギーを注ぐ。

エネルギーをムダに使い、体を緊張させ、強ばらせ、頑なになる。

これが許せた時、体の緊張は解け、緩む。

緩んだ自分で相手を見たら、どんな言葉が出るだろうか。

きっと、「許せない!」と思っていた時には想像できない言葉が口からこぼれるだろう。

仕方なかったね。

悪気はなかったよね。

それしか知らなかったんだよね。

その方法しかできなかったんだよね。

きっと相手への理解が起きてくるだろう。

わたしはね、相手を許せたと思った時、自分の体から力がふーっと抜けてゆくのを感じた。

許すと、緩むんだ。

許しは緩し なんだ。

語源は同じなんだよね。

許しは、手放す、自由にする
緩しは、寛大であり、ゆったりしている

誰かに対して、何かに対して、「許せない!」と強張るのをやめられたら、心は自由になり、ゆったりする。

体が緩むと心も緩む。

「許せない!」というエネルギーはそれだけ自分を消耗させていたんだと気がついた。

その分、自分の本質に注がれ、循環するはずのエネルギーが減っていたことに気がついた。

体が緩んで、心も緩んで、そのゆったりとした感覚を全身で感じ尽くしていると、やがて、自分の中に寛ぎが訪れる。

静かで、穏やかで、平和で。

それがどんなに至福なのか。

わたしたちはすでに知っている。

そう。

元々、「あった」ものなのだ。