4月に受験した、LPL認定試験に不合格になって出てきた反応の一部始終を綴っています。

その8は明美ちゃんの個人セッションでの、わたしのイメージの世界の話。

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青い目のよそ者

さっきまで見えたいたシーンから、次々と、その人の過去へと遡っていった。

ひとり洞窟の中にいたこともあった。

そこでは寒さに震え、凍えていた。

黄金色の稲穂がたわわに実る田園風景を見ていることもあった。

縄文時代の日本のように、豊かで穏やかで平和な光景だった。

豊かな部落の一角でその人の妻と子供らしい人と暮らしていた。

その景色の中で、ささやかな幸せを感じていた。

こんな時もあったんだ。

さっきの深い深い絶望感はない。

でも、微かに心の中に風穴が空いているような、もの悲しい感じもした。

その部落には、その人に好意的な人ばかりがいたわけではなかったようだ。

「よそ者だ。を
「おまえの言うことなんて信じられない。」

そう言われていたらしい。

日本のような景色の中にいるのに、その人の目は青かった。

異国人なんだろうか。

疎外感を感じながら、でも、家族と共に、それなりに幸せを感じていた。

『その人は、そこで何をしているのですか?』

明美ちゃんの質問が聞こえてきた。

この部落を救いに来た・・・

そう答えた。

何を救いに来たのかはわからない。

でも、この人はすべてをわかっている気がする。

なにもかもわかっている。

でも、真実は伝えられないでいる。

そんな感じがした。

その人の使命は・・・

明美ちゃんの質問に答えながら、その人のことを少しずつわかっていく。

家族がいて、平和で豊かな部落に暮らしていて、でも、どこかに憂いもあって。

何かをしたい、行動を起こしたいけれど、できない。

そんなもどかしい感覚が伝わってきた。

そして、次の質問で、突然、インスピレーションがやって来た。

この質問の内容は覚えていない。

ただ、唐突にやってきたそのインスピレーションがめちゃめちゃ肚落ちしたのだけは覚えている。

『ああ…

この人はスパイでした』

言うと同時に、わたしの両目から涙が溢れた。
止めどなく流れた。

スパイ・・・

この人の使命は、人を欺き、裏切ること。

でも、その使命を果たせなかった。

そんなことがわかってきた。

すべてを失う

その人は元々、その部落の人ではなかった。

別の部落から、その部落を滅ぼすために遣わされたスパイだった。

その人が元々いたのは争いの絶えない好戦的な部族だったのだ。

孤児で、身寄りもなく、兄と慕う長(おさ)に可愛がられて育ち、その長に従うことはあたりまえ。
疑う余地は全くなかったのです。

でも、スパイとして潜り込んだ先の部族は、豊かで争いもなく、平和で穏やかな毎日があった。

育った環境とは真逆の世界。

その世界で、その人は初めて安らぎを得た。

部落の長の娘と恋に落ち、家族をもった。

幸せとはなにか、愛とはなにかを知ってしまったのだ。

守りたいものができた時、その人は生まれ育った部族の意思に従えなくなっていた。

だから、その人は自分が育った好戦的な部族から、平和で穏やかな暮らしをする人々を滅びの運命から救いたかったのだ。

でも、その人の言葉は信じられることもなく、誰にも通じることはなかった。

よそからきた者。

そう言われて信用されなかった。

やがて、その人がスパイとして役に立たないとわかった時、その幸せは破壊された。

育った部族から襲われ、その人はすべてを失う。

豊かだった実りの地は荒され、平和に暮らしていた人達はみんな殺された。
その人の家族も。

その人は、家族も、平和な暮らしをする人々も、豊かな土地も、穏やかな日々も、何も守れなかった。

すべてわかっていたのに、救いきれなかった。

わかっていたのに、滅ぼしてしまったのだ。

裏切りたくはなかったけれど、結果は同じだった。

やがて、自分が育った部族も滅びてゆく。

育った部族も、幸せだった部族も、なにもかも救えず、すべてを滅びの道へ招いてしまった。

それをとことん悔いた。

何もできなかったこと、為す術がなかったことを悔いた。

大切な人すべてを失い、誰も救えなかった罪の意識の中で、それでもひとり生き延びた。

絶望の中で死を待つだけの身となった。

それが、ワークの最初に見た、死にかけたその人の姿だった。

その9へ続く。

この記事を書いた人

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みうら 雪絵

Nature Therapist / Healing Practitioner / Outdoor Activist / World Traveler / Nature Photographer

人間は地球に生きる多様な生物の一種であり、自然界(生態系)における”いのちの循環”の一部です。自然界との繋がりから離れて生きてゆくことはできない存在です。
自然界と繋がって生きることは、生きる力・生命の力の根源と繋がることだと思っています。

自然界(生態系)の一員としてこの地球に生きている意味を考え、自然の理を感じながら生きるとはどういうことなのか。
今までに学んだ様々なヒーリング・セラピー・カウンセリングスキルを駆使しながら、体(ボディ)・心(マインド)・魂(ソウル)・霊(スピリット)の関係性を探求しています。

このブログには、わたしのライフスタイルを通して、わたし自身が”自然に生きて”いけるようになってゆくプロセスを綴っています。
体験したことを感じたままを表現している「人生という名の創造物」の記録でもあります。

白馬三山を映す八方池

ネイチャーセラピー

五感を使って自然と一体となるだけで、人は日ごろのストレスから解放されます。

Outdoor Activist歴30年以上の経験で培ったフィールド知識を活かして、安心して楽しく自然と触れ合うサポートをしています。

日本シェアリングネイチャー協会 公認ネイチャーゲームリーダーとして、ネイチャーゲームを取り入れた自然体験もご提供可能です。