心肺停止で倒れた夫のよみがえり日記 24日目
2018年8月17日(金)
お山に行きたいね
今朝は空気が入れ替わり、朝は窓を開けていると寒いくらいだった。
朝一番で、けんちゃんから写真が送られてきた。
病棟のリビングルームから鈴鹿の山がよく見えるらしい。
『お山に行きたいなぁ〜』
写真にはそんな言葉が添えられていた。
この晴天だもん。
行きたいよねぇ。
転院先の病院も決まり、次は転院先を受診するところまで進んできた。
とは言っても、心臓は倒れた時のままで治療を進めているわけではない。
だから、今の病院では左手のリハビリ以外にやることはほとんどないのだ。
『ヒマだー』
シャワーまで浴びれるようになって、日常生活のほとんどは自分でできるところまで回復した。
ただ、心臓には心電図モニターがついているため、その電波が届かないところへは行けない。
つまり、病棟の同じフロア以外には自由には行けないのだ。
籠の中の鳥のようだ。
『お山行きたいけど、今は無理だから、病室内を歩きながら、手のリハビリしてるー』
心臓の治療が終わり、また山を一緒に歩けるようになるその日まで、待ってる。
何よりも家に帰って来る日まで待ってるよ。
『もうちょっとだから、それまで待っててね』
そんなやりとりの最後に送られてきた写真がこれ。
『餃子と炒飯だー!』
家で普通に食べてたものが出てくると嬉しいよね〜
あたりまえの日常へ、一歩ずつ。