心肺停止で倒れた夫のよみがえり日記 20日目
2018年8月13日(月)

お見舞い

8/11(土)から4日間、LPL養成講座週末コースのため、予定どおり東京に来ている。

直前まで悩んだけど、けんちゃんの状態が安定していることもあって、行くことに決めた。

土曜日は東京に行く足で病院に立ち寄った。

この日もたくさんの方がお見舞いに来てくれていて病室は人でいっぱいだった。

実は、倒れたことはごくごく身近な人にしか話していない。

それなのに、倒れたと聞いて駆けつけてくれる方、定期的に顔を見に訪れてくれる方が絶えない。
けんちゃんの人望だよなぁ。

そんな方達とけんちゃんが話す姿を、目を細めて眺めていた。

こんな光景をただ見ているだけでも心があったまる。

この日は時間がなくて、わたし的には会えた満足感は少なかったのだけれど、これはこれで良し。

けんちゃんを見ていると、人は多くの人に支えられて生きているのがとてもよくわかる。

そして、わたしにしかできないこともあるけど、わたしにはできないこともあるんだなぁとも思う。

助けてもらうこと、支えあうこと、自分一人の力ではなんともならない時だからこそ、誰かに支えてもらえる有り難さが骨身に沁みる。

スイッチが切り替わって気づいたこと

今回の東京滞在は、わたしにとってはとても大きな気づきがあった。

何がって、自分が「疲れている」と客観的にわかったからだ。

LPLに行くと、当然ながら講座に集中する。

すると、頭がけんちゃんのことから離れられる時間ができたのだ。

なんだかんだ言って、倒れてから毎日頭の片隅にはいつもけんちゃんのことがあった。

今日は病院行く日だっけ?
何持って行くんだっけ?

元気になってから、本や日用品をリクエストされることも多く、毎回何かを運んでいる。

そんなことを行かない日でも気にしているし、けんちゃんのことが頭から離れないのだ。

でも、LPLの会場に入った瞬間にスイッチが切り替わった。

たとえて言えば、会社に出勤したような感覚だろうか。

スイッチが切り替わり、いつものモードになり、作業を進める。

すると、いつもなら全く苦労なくできる作業が持続できない。

途中で集中力が切れるのだ。

いつも労なくできることが、できなくなっていた。

そこではじめて、自分が「疲れている」と体でわかった。

いつもの状態じゃない、普通じゃない、と体感でわかった。

ずっしりと実感した

さらに、LPLの場の安心感と、愛ある空間で、張りつめていた緊張の糸が思いきり切れた。

疲れて寝倒す日もあるけど、どこかで気が張りっぱなしの自分もいた。

緩め方がわからないのだ。

それが、明美ちゃんはじめ、倒れた日、現場を離れた瞬間から、様々な形でサポートしてくれたスタッフ仲間、受講生さん達を見た瞬間、緩んだ。

よく頑張ったね。
どれだけ大変だったんだろう。
よくここに来てくれたね。

皆さんがかけてくださる言葉で、はじめて自分の頑張りを認めることもできた。

できるだけ溜め込まないようにしていたけど、どこかで「わたしがやらなきゃ」と思っていた部分もあった。

その緊張の糸が、ぷつっ!と音を立てて切れた。

溢れてくる涙と一緒に、背負っていたものも流れていった。

緊張の糸が切れて、自分の頑張りを認められたから、疲れも顔を出せたんだと思う。

この緩んだ感覚を感じられたことは、なんかとても大切なことだと思う。

緩んだおかげでどっと疲れも出てきて、とてもよく眠れた。

何も考えずに、疲れに身を委ねて眠ることができたのだ。

3日目の今日は、去年共に学んだ仲間とも再会し、また違う形で励ましもらった。

共に学んだ仲間に応援してもらえることほど、力になることはない。

心から有難かった。

東京にいる間に、わたしの中のスイッチはカチッと音を立てて切り替わった。

このスイッチの切り替わり、緊張の糸が切れたことはとても大きなことのように思える。

思いきり泣いて、笑って、過ごした3日間でリフレッシュできた気がする。

看病する側には、こうやって逆に振り切れる時間も、とても大切なんじゃないだろうか。

御礼

東京に滞在した3日間、会う人会う人から、「良かったね!」と声をかけてもらって、ほんとにほんとに嬉しかった。

その言葉を受ければ受けるだけ、涙もたくさん流れた。

溜め込んでいた感情が、みなさんの気持ちによってほぐされ、涙と一緒に流れていった気がする。

言葉でなく、支援金として、形としてもたくさんいただきました。

どれだけみなさんが心を寄せてくださったか、思えば思うほど、人の温かさで涙が止まらなかった。

いただいたお金は、治療費の一部として、ありがたく使わせていただきます。
ありがとうございました。

みなさんへは、けんちゃんが健康を取り戻し、新たな歩みを進めてゆく姿を見せていくことが御礼なのかな とも思っています。

先のことはわからないけれど、“今”を精一杯生きる姿を残してゆくことが、わたしたちにできることなのかな とも思う。

みなさんの、人を想う気持ちはきっと世界を変えるとも思った。

それぐらいのパワーを感じ、受け取りました。

この想いは、必ず循環させていこうと思います。

わたしたちにしかできないこともあるよね。

それを少しずつ考えていこうと思う。

明日からまた病院通いの毎日に戻ります。

けんちゃんに新たな気持ちで、会えるような気がするな。

早く会いたいな。

この記事を書いた人

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みうら 雪絵

Nature Therapist / Healing Practitioner / Outdoor Activist / World Traveler / Nature Photographer

人間は地球に生きる多様な生物の一種であり、自然界(生態系)における”いのちの循環”の一部です。自然界との繋がりから離れて生きてゆくことはできない存在です。
自然界と繋がって生きることは、生きる力・生命の力の根源と繋がることだと思っています。

自然界(生態系)の一員としてこの地球に生きている意味を考え、自然の理を感じながら生きるとはどういうことなのか。
今までに学んだ様々なヒーリング・セラピー・カウンセリングスキルを駆使しながら、体(ボディ)・心(マインド)・魂(ソウル)・霊(スピリット)の関係性を探求しています。

このブログには、わたしのライフスタイルを通して、わたし自身が”自然に生きて”いけるようになってゆくプロセスを綴っています。
体験したことを感じたままを表現している「人生という名の創造物」の記録でもあります。

白馬三山を映す八方池

ネイチャーセラピー

五感を使って自然と一体となるだけで、人は日ごろのストレスから解放されます。

Outdoor Activist歴30年以上の経験で培ったフィールド知識を活かして、安心して楽しく自然と触れ合うサポートをしています。

日本シェアリングネイチャー協会 公認ネイチャーゲームリーダーとして、ネイチャーゲームを取り入れた自然体験もご提供可能です。