今年もシデコブシが咲きました。

桜より早く花開き、まだ冬色をしている森に春を告げるように咲きます。

シデコブシは日本固有種で、自生しているのは愛知・岐阜・三重県だけという落葉樹。

環境省のレッドリストでは「準絶滅危惧」の指定を受けていますが、生息環境が失われていることから、愛知県レッドリストでは「絶滅危惧 II 類」、名古屋市版レッドリストでは「絶滅危惧 IB 類」になっています。

また、IUCN(国際自然保護連合)レッドリストでは発生率の低さや成木の減少に歯止めがかかる様子が見られないことから、絶滅危惧種(Endangered)と評価されています。

湿地や湧水地を好んで自生するため、どこにでもある木でもありません。

わたしも今の地域に住むまではこんな木があるなんて、存在も知りませんでした。

でも、文献を調べてみればみるほど希少で、その保護のためにたくさんの方が尽力されていると知りました。

シデコブシの花は淡いピンク。
淡いと言っても桜とはちょっと違う。

蕾が紅紫色、マゼンタのような濃い色を帯びているんだけど、それが開花すると少しずつ色が抜けて白くなっていくような感じ。

この花の白さが、まだ芽吹きもない茶色い森の中でパッと目を引くんです。

ん? 何の白さ?
花??

みたいな感じで。

それだけこの時期の森では存在感があるんですよ。

今住んでいるエリアには、シデコブシの木があちらこちらに点在していて、桜の開花が待ち遠しい時期に森を眺めていると、はっ!と目を奪われるというわけ。

目を奪われたその淡いピンク色の優しいこと。

さぁ!春が来ましたよ!
みんな咲きなさい

そんな声が聞こえてきそうな凛とした美しさを感じるのです。

この花が散ると、桜が満開になり、森の木々が芽吹き、春本番が訪れます。

モノトーンの森に、色を運んで来てくれる女神のようです。

今年も花開いてくれてありがとう。

来年も美しく咲いてくれると嬉しいな。

【お願い】

自生地はどこも保護されていると思いますが、絶滅が危惧されている希少種です。
見つけても安易に踏み込まず、生息する環境を踏み荒らすことを避けるためにも、遠くからその美しさを眺めるだけにしましょうね。

特に写真を撮るみなさま。
良い写真を撮りたい一心で、気がついたら踏み荒らしてたなんて話はよくある話です。
わたしもついついファインダー覗きながら移動して、気がついたら足元でとんでもないことが起きてたなんて失態はやらかしてしまいます。

植物は歩いて逃げることができません。
身の危険を感じてもヒトという脅威から逃げられず、声を出すこともできません。

だから、わたしたちヒトが気をつけてあげましょうね。

これはシデコブシに限らず、地球上どこでも、すべての植物に対してです。

ヒトは「やめる」ことができる生き物です。
理性と、知性と、良心と、愛をもって写真を撮りましょうね。

未来へこの花のいのちを繋ぐために、周りの環境と共に護っていきましょう。

撮るなら近づくのではなく、望遠レンズを使いましょうね。

この記事を書いた人

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みうら 雪絵

Nature Therapist / Healing Practitioner / Outdoor Activist / World Traveler / Nature Photographer

人間は地球に生きる多様な生物の一種であり、自然界(生態系)における”いのちの循環”の一部です。自然界との繋がりから離れて生きてゆくことはできない存在です。
自然界と繋がって生きることは、生きる力・生命の力の根源と繋がることだと思っています。

自然界(生態系)の一員としてこの地球に生きている意味を考え、自然の理を感じながら生きるとはどういうことなのか。
今までに学んだ様々なヒーリング・セラピー・カウンセリングスキルを駆使しながら、体(ボディ)・心(マインド)・魂(ソウル)・霊(スピリット)の関係性を探求しています。

このブログには、わたしのライフスタイルを通して、わたし自身が”自然に生きて”いけるようになってゆくプロセスを綴っています。
体験したことを感じたままを表現している「人生という名の創造物」の記録でもあります。

白馬三山を映す八方池

ネイチャーセラピー

五感を使って自然と一体となるだけで、人は日ごろのストレスから解放されます。

Outdoor Activist歴30年以上の経験で培ったフィールド知識を活かして、安心して楽しく自然と触れ合うサポートをしています。

日本シェアリングネイチャー協会 公認ネイチャーゲームリーダーとして、ネイチャーゲームを取り入れた自然体験もご提供可能です。