東京・銀座ソニービルで開催中のイベントで「触れる地球」が展示されているので行ってきました。
触れる地球とは
京都造形芸術大学教授の竹村真一さんが発案した「“地球目線”でものを見て考える」ためのデジタル地球儀です。
雲の様子、地球の温暖化、台風・津波の発生過程、渡り鳥の移動など地球上のさまざまな現象をリアルタイムでみることができ、地上にいながら、地球を宇宙に浮かぶ一個の球(Globe)として見ることできるようになっています。
地球はひとつ
この30余年で激減してしまった北極の氷。
季節でかわってゆく緑の変遷。
海流の流れによってもたらされるヨーロッバの温暖な気候。
同緯度には砂漠が広がっている地域が多いのに、日本だけが緑に覆われているのはなぜか。
プレートの境目にあるため地震が頻発する日本列島だけれど、地球規模で見るとどうなのか。
会場内にはスタッフの方がいて、操作を手伝ってくれたり、解説してくれたりして、実際に「地球」に触って、動かすことができます。
たとえば、南極を上にしたり、北極を中心に見てみたり。
地図帳や地球儀で見ているだけではわかりにくいことが、「触れる地球」だと変化や動きが見れるから、「こういうことなんだ!」と体感することができます。
そして、宇宙からの目線で地球を見ることで一番感じたこと。
宇宙から見た地球には国境という線は存在しない。
「地球はひとつ」だということ。
これからの地球をどうするかは「人」次第
「触れる地球」の発案者である竹村さんは、とある講演で『人が地球のことを気にかけるのは、ノミがゾウの体調を心配するようなものだ』と話されていました。
それぐらいの規模のことなのに、人は地球のことを真剣に考えている。
これはとても素晴らしいこと。
その話を聴いて胸が熱くなったことを思い出しました。
また、竹村さんは坂本龍一さんとの対談集『地球を聴く』の中で、「人類はまだ「幼年期」」と話されています。
人類は進歩しすぎて自然を破壊しているのではなくて、未熟すぎて破壊している。
だけど、その未熟さを自分で認識できるくらいには成熟しつつある。
だからこそ、これからの地球を良い方向へ導いていくはず。
そのために人の知恵はあるのだ。と。
いま地球に起きていることを悲観せず、希望をもって見据える未来にとてもワクワクしたことを覚えています。
この地球をより良くしていけるのは「人」なんだ。と。
▲ 『21世紀、人類は「海」に暮らす。』というパネル。
地球温暖化の影響で海水面が上昇したら、浮体上に家をつくればいい。
実際、オランダでは筏に乗ったような住宅が増えていたり、バングラディシュでは公共施設が船型になっていってるそうです。
また、広大な太平洋上に「浮遊都市」を作る計画も考えられているとか。
個人的には船が苦手なのでちょっといや~な感じ(笑) はありますけど、発想としては素晴らしいと思いました。
また、竹村さんは、電力の「地球大のピークシフト」が可能だと話されてもいます。
国という単位ではなく、地球単位で電力ネットワークを構築する。
技術の進歩でこういったことが実現可能なところまできているんですね。
侮ってはいけませんね。「人」の知恵を。
こうやって困難に立ち向かっていく知恵をわたしたちは持っているし、大切なのは「ひとつの地球」で考える視点ですね。
そんなことを感じ取れる「触れる地球」、ぜひ体感していただきたいです!
「触れる地球」の常設展示
銀座ソニービルの展示は2017年3月31日までの期間限定です。
- 関連 :
- 第49回「愛の泉」|ソニービル
常設展示は 「3×3Lab Future」(大手門タワーJXビル 1F)の「触れる地球コーナー」にあります。
詳細は公式サイトをご確認ください。
- 関連 :
- 触れる地球ミュージアム
竹村真一さんの著書
記事内で紹介した竹村真一さんと坂本龍一さんが地球文明の未来を語り合った対談集。