青森・秋田両県にまたがる白神山地に行ってきました。
行ったと言っても、ただ観光に行っただけではなくて、リトリートの候補地としての下見も兼ねて、4泊5日かけて回ってきました。
一言で「白神山地」といっても、13万haにおよぶ山域で、このうち世界遺産に登録されている地域は1万6971haあります。
数字で書かれてもわからないですよね。
そこで、他の国立公園と比較してみました。
世界遺産に登録されているエリアは、沖縄県西表国立公園(1万2506ha)の3割増しくらい。
白神山地全体は、富士箱根伊豆国立公園(12万1714ha)よりちょっと大きいくらいですかね。
よくある、東京ドームに換算すると3610個分だそうですが、数が多すぎて想像できません😅
数字で広さが実感できない時は、感覚的にわかるものと比較すると、想像しやすいですね。
広大な山域ということと、核心部へのアクセスルートが少ないというのが事前にわかってましたが、そこにさらに、2022年8月の大雨の影響であちこちで土砂崩れがあり、通行止や散策路の閉鎖が多く、白神山地のほんの一部を見てきたという印象です。
まぁ、この「土砂崩れの多さ」も白神山地の特徴なんですけどね。
今回行ったのは、
十二湖
岳岱(だけだい)
暗門(あんもん)
の3エリア。
アクセスにほぼ1日を要してしまうので、往路1日、中3日、復路1日の5日間でした。
それでも、今の状況で歩けるところは歩いてこれたし、白神山地の魅力は感じてこれたなと思います。
今回の旅を振り返ると、想像を覆されることが多々あったなぁ🙄と思います。
ネット経由で情報が入手しやすくなったとはいえ、やっぱり行ってみなきゃわからないことってありますね。
ネットの情報って断片的だなって思います。
ネットで得た情報を繋ぎあわすには、現地を見ること必要ですね。
そして、リアル体験に勝るものナシ。
特に自然の中での体験て、そう。
五感をフルに使って、その場所を全身で感じることに重きを置いてるから尚更ね。
その土地、場所のエネルギーってあって、それは、ネットでは体験できないし、想像しきれないんですよね。
それを今回の旅でもひしひしと感じてきました。
写真を撮っててもそう。
撮りきれないもの、写しきれないものが絶対ある。
以前は、自分の腕前だと思ってたけど、そうではないんだよね。
その場にいて、自分の目で見て感じることは一人ひとり違うからね。
だから写真で伝えようと思うことはやめました。
そういう時はあえて撮らないことにしてます。
今回も、そういう場所が多くてね。
何度、「自分で来て、感じて欲しい」と呟いたことか。
十二湖の1つ、青池もそんな場所でした。
この何とも言えない青い池の色と、その奥に眠る朽ちたブナの古木。
陽の射し方、光の入り方によって、見え方が異なる。
人間がカメラで切り取れる限界を感じたなぁ。
色もそう。
画角もそう。
この空間が創り出す空気感はね、カメラじゃ捉えきれませんね。
言葉を変えると、自然に降参してる感じでしょうか。
はい、あなたの美しさを写しきろうなんて無理です!
って(笑)
だから、カメラを置いて、自分の目と、全身を使って感じてきました。
そして、これは、是非リアルで体験してもらいたいと思いましたね。
白神山地は、こういうことを何度も体感する場所でした。
行かなきゃわからない。
そういう場所ですね。
また、
「また来たい。」
「今度は違う角度から体感してみたい。」
と思える場所でした。
それだけまだまだ魅力がある場所ですね。
今までいろんなところへ行って体感してきてるいろんな森や自然と比較してもね。
1回では、白神山地の魅力の一端にしか触れられてないなと思いました。
白神山地といえば、ブナの森。
実は、わたしが木を見て、一番最初に心惹かれたのがブナの木でした。
かれこれ30年以上前、まだ登山をはじめた頃のことです。
なんて美しい木
いきいきとして、生命力があふれていて、季節ごとの葉も美しい。
以来、ブナを求めて山を歩いたこともあるくらい、大好きな木なんです。
そのブナが創り出す8000年の森が世界遺産になっているのが白神山地。
ブナが創る広大な生態系の中に、どっぷり浸かってみたかったんですよね。
それが今回叶いました😊
ブナの寿命はだいたい250年程度と言われてますが、秋田県の岳岱には、白神山地の象徴とも言える樹齢400年を超える「400年ブナ」がありました。
秋田県側に行くと、白神山地のポスターはほとんどこの400年ブナでした。
実は、残念ながら、過去形になってしまったんですよね。
今春(2022年3月)倒れているのが発見され、長寿の寿命を終えています。
行くと、倒れた400年ブナを見ることになりましたが、倒れてまだ半年ということで、ある意味貴重な森の姿を見ることができました。
死と再生
いのちの循環が象徴的によくわかるのが森ですが、その貴重な瞬間が今なら見えると言ってもいいでしょう。
同じ岳岱の森には、「もののけブナ」と呼ばれる、これも400年近くの樹齢のブナがあります。
「400年ブナ」と「もののけブナ」を比較して見てみるのも、今ならできるので、そういう意味でも貴重なタイミングだなぁと思いました。
この「もののけブナ」は、きっと次の白神の象徴、白神の主になっていくんでしょうね。
ちなみに、この岳岱の森は、ジブリの「もののけ姫」のモチーフになった森と言われています。
「もののけ」という名がつくのに納得がいく、とても風格のある巨木でした。
青森県には「マザーツリー」と呼ばれるブナもあります。
こちらは、現在は立入禁止エリアにあるので、次回は見てみたいですね😊
で。
本来の目的、リトリートの候補地としてどうだったかというと、
もうね、「もう一度行きたい!」と感じた時点で、「やりたい!!」ですね。
そもそも白神山地を選んだのは、秋のリトリートの候補地としてでした。
秋と言えば紅葉です。
他にも紅葉の美しいところはいろいろありますが、落葉広葉樹林の秋を堪能できるところを探していての候補地でした。
今回は紅葉には全然早かったので、色づいた森はリアルでは見れないのですが、行ってみて、想像はつきました。
いやぁ。
これ紅葉したら、すごいですね。
きっと。
もちろん、その年の気象状況に左右されるので、ポスターにあるような黄金色の森が見れるとは限りませんが、見慣れた中部山岳の秋とは違う姿が見れるだろうことは想像できました。
なので、開催するなら「秋」ですね。
また、白神山地には、森林セラピーでも大切にしている五感すべてを満たす魅力があります。
あんまり「味覚」に敏感ではないわたしでさえ、胃袋ガッツリ掴まれてきました(笑)
なにより、白神山地の水がとても美味しい😋
秋は、味覚の秋でもありますしね。
青森に行けば、りんご収穫のシーズンでもあります。
白神山地ではありませんが、岩木山を背景にした真っ赤なりんご園🍎🍎🍎も美しかったです。
温泉も豊富ですしね。
それに加えて世界遺産になってる自然ですから、わたしが目指してるリトリート条件を遥かに上まってました✨✨
なので、来年秋の開催を目指していきたいと思います😊
今回行った3エリアは、どこも一長一短があり、魅力もそれぞれ違います。
それもまた白神山地の魅力ですね。
ただ、いくら飛行機でアクセスしても、1泊2日とかでは企画できないと場所だとも思ってます。
どうせ行くなら、どっぷり浸って欲しい。
リトリートという非日常を味わってもらうにはそれなりの日数、滞在もして欲しいんですよね。
ちなみに、わたしは「あと2−3日は滞在したいー!」と叫びながら帰ってきました。
広大な山域をぐるりと2/3周するくらい移動が多かったこともあって、ちょっと物足りなさを残しながら帰ってきました。
もっと、白神山地の森にどっぷり浸りたかった。
あのブナの森なら、きっと何日いても飽きないだろうなぁ…
リトリートを企画した場合、最低2泊、できれば3泊かな。
欲を言えば4泊、いや1週間滞在しても飽きることはないでしょう。
わたしが次行くなら1週間でプランニングすると思います。
海の幸と山の幸と紅葉と温泉
これだけでも、また行きたい😋
それぐらい満ち足りた幸せな時間を過ごせる場所でした。
↑この、あたり一面黄金色の森を見に行きたいですね!😃