ただ夢見るだけでは、その夢や願いをはかないにくくなる
ポジティブ思考って、夢をかなえたいと思った時にはそう考えた方がいい という思い込みがある。
そう。それは本当に思い込みだったみたい。
本書の著者・ガブリエル・エッティンゲンさんはニューヨーク大学、ハンブルグ大学の心理学教授。
ガブリエルさんは20年におよぶモチベーションについての研究から、
夢見る人はなかなか行動する人にならない。将来についてただ夢見るだけでは、その夢や願いをはかないにくくなることが確認されている
と書いています。
本書にはそのさまざな研究の結果が詰まっています。
一番衝撃だったのは次の一文。
20年にわたる研究でさまざな被験者、状況、そして手法で再現された結果をふまえると、「思考は現実になる」「願えば目標は達成できる」というポジティブな空想にふけり、それこそが成功への道だと思えというのは、まちがったアドバイスである。
ぶっ飛びました(笑)
もうその後も面白くて、レゾナンス・リーディングで読んでいたのに、気がついたら夢中になってページをめくっていました。
夢だけでなく、夢を妨げる壁や障害も想定しておく
著者のガブリエルさんは、ポジティブな空想は頭の中で心地よくなって、現実世界を切り抜けるためのエネルギーを吸い取ってしまう。だから行動しなくなる という研究結果を得ています。
代わりに、メンタル・コントラスティングという方法で、夢だけでなく、夢を妨げる壁や邪魔ものも思い描くといい とすすめています。
メンタル・コントラスティングを行うと、行動を起こすエネルギーを得られ、さらに、障害が生じたらどうするかをはっきりさせておくと、さらにエネルギーが湧く 実証を得ているのです。
本書の後半では、このメンタル・コントラスティングと、どうやって願いを達成するかについてはっきり決めておくこと(実行意図)を統合した方法として、WOOPという方法を紹介しています。
エクササイズもあるので、簡単に実行できます。
スマホアプリもあるようなので、興味がある方はぜひ試してみてください。(全文英語でした)
WOOP – a scientific strategy to find and fulfill wishes
WOOPは夢を実現するのに障害となるものを浮かび上がらせ、克服することができる方法で、かなえたいすべてのことに応用可能です。
自分の持てるものすべてを活かして、実現可能な心からの願いに取り組むことができるようになるよ。
そうガブリエルさんは語りかけているようでした。
もう一度、今度は通読してみたいと思う1冊でした。
【2016.01.10 追記】
この記事を読んで本書を購入した よっしーさん が、アプリの使い方を記事にしてくださいました。
願いを叶えるための行動ができちゃうアプリを使ってみた