陽気で、一見悩みとか苦悩とか関係なさそうな人ほど、実は内側に誰にも言えないような苦しさを内包しているんじゃないかと思うことがあります。
いつも朗らかで、陽気で、楽天的で、ポジティブ思考で、悩み? そんなもん気にしないわ!
っていう人、いますよね。
でも、その朗らかさ、陽気さ、楽天さ、ポジティブ思考な考えら、内面の苦しさ、辛さを見ないため、感じないためにやっているとしたら、それはそれで辛いんじゃないかと思うわけです。
でも、そんなことを当の本人に言ったところで、「は? そんなもん知らんわ!」 と一喝されるのがオチなんですけどね。
そもそも、そういう方の行動は無意識なことが多い。
無自覚なんです。
自覚できてたとしても、そのどこがいけないの? と思っている。
無意識に自分の苦しさ、辛さを見て見ぬ振りをしているんだと思うんですよね。
それぐらい、自分の苦しさ、辛さを認識するのが嫌。苦しい。
それだけの体験をしているからこそなんです。
だから、もう二度とその苦しさ、辛さを味わうのは嫌だ。
ごめんだ!と思っている。
もう二度と嫌だから、その苦しさ、辛さを察知した瞬間に「なきもの」にしている。
なかったこと、終わったことにしている。
なかったこと、終わったことにしていないと、やってられないんです。
生きていけないんですよ。
それぐらい繊細で、感じやすい人なんです。
その繊細さ、感じやすさのままだと、辛すぎる。苦しすぎる。
だから、その感じやすいセンサーを鈍らせる。
鈍らせなきゃいけないぐらい、本当は苦しいはずなんです。
でも、センサーを鈍らせているがゆえに、自分の苦しさにも気づいていない。
感じることは辛く苦しいことかもしれない。
だけど、センサーを鈍らせてしまうと、自分の本当の辛さも苦しさもわからなくなる。
自分の本当の辛さ、苦しさがわからなくなるとSOSも出せなくなる。
出せなくなるだけでなく、自分のSOSも察知できなくなる。
自分の本当の辛さ、苦しさに繋がることは、SOSを出せることになる。
SOSが出せないと、限界まで自分を追い込み、身体が悲鳴をあげる。
身体が悲鳴をあげても、その声を「なきもの」にしていると、やがて、身体によって強制的に終了させられる。
そうなるまで、自分のことがわからない。
それぐらい、自分のセンサーを鈍らせてしまう。
朗らかで、陽気で、楽天的で、ポジティブ思考な人っていうのは、実は自分でなんでも自己解決できちゃう人が多い。
でも、そこはコインの表裏なんだよね。
誰かにSOSが出せないから、自己解決せざるを得ない。
自分の辛さ、苦しさに繋がることは、決して楽しいことじゃない。
センサーの感度を戻すことだからね。
でも、自分の本当の辛さ、苦しさをわからないことの方が、実はもっと辛さ苦しさが重なってゆく。
センサーを鈍ってるから、わからないんだよ。
辛さ、苦しさを避けて、逃げてる方が、さらに苦しくなるだけなんだ。
避けて逃げててもなんの解決にもならないしね。
朗らかで、陽気で、楽天的で、ポジティブ思考な人ほど、自分の本当の気持ちに繋がった方がいい。
自分のネガティブさに繋がった方がいい。
センサーの感度を取り戻した方がいい。
その結果、自己解決できないどん底になったならば、誰かに助けを求めればいいの。
もう一人で頑張らなくていい。
四六時中、ポジティブでいられない時だってあるでしょう?
そんな時は、朗らかで、陽気で、楽天的で、ポジティブ思考でなくていいんだよ。
しっかりどっぷり自分のネガティブに浸ればいい。
苦しいなら苦しい! 辛いなら辛い!って言えばいいだけなの。
そうすれば、あなたの中にいる、本当のあなたらしさが教えてくれる。
そのネガティブの闇の中に、見たこともない光があるよってね。
ここに書いたのは以前のわたしへのメッセージでもある。
自分と向き合う中で、その根底にある辛さ、苦しさに対して、センサーの感度をゼロにしていたんだ。
それだけ、自分の本当の辛さ、苦しさに繋がることは、嫌なことだった。
無意識に避けるし逃げるし、避けてることも逃げてることも自覚できなかった。
そこを、カウンセラーの人たちにガッツリ掴まえてもらって、自分を深掘りしてきた。
見たくもなかった自分のネガティブの闇の中には、怒りも悲しさも、孤独も、無力も、絶望もあった。
でも、怒りに繋がることで、力を取り戻し、
悲しみに繋がることで、優しさを取り戻した。
孤独に繋がることで、人と一緒にいられる歓びを感じられるようになったし、
自分の無力さと繋がったことで、他人からの助けをありがたいと心から思えるようになった。
絶望に繋がることで、希望を持てる幸せも感じられるようになった。
あなたの、その朗らかさ、陽気さ、楽天さ、ポジティブさの下にあるのは、どんな自分ですか?
そのネガティブの闇の中に、どんな光、どんなあなたらしさを置いてきてしまっていますか?