タイトルだけならば決して手に取ることもなかったであろう本、吉越浩一郎氏の『社長の掟』
読んでみて、いや読みながら「社長になりたい!と思ったことがない人も読むべき!!」
そう強く想いながら読了しました。
憧れの人
著者の吉越浩一郎さんは、トリンプ・インターナショナル・ジャパン㈱の社長として19年連続・増収増益という驚異的な実績を残された方で、あちらこちらのメディアに登場することも多いのでご存知の方も多いことでしょう。
うーん、どんな方だったけ? と思われた方はぜひネット検索してみてください。
たくさんのインタビュー記事を見つけることができます。
私も何年か前に雑誌のインタビューでお見かけしたのが初めてでした。
当時、したくもない残業に苦しんでいた私にとって、「残業ゼロ」で実績を上げ続けておられるその手腕に、「こんな社長のもとで働いてみたい!」と憧れの存在になりました。
以後、雑誌やネット上でお名前をお見かけするたびにその記事を読んできましたが、著書を手に取ることは今までありませんでした。
今回、ツナゲルアカデミーの課題として著書「社長の掟」を読む機会に恵まれ、やはり この方のもとで働いてみたかった!と 改めて思いました。
タイトルだけなら絶対に手に取らなかった一冊
『社長の掟』
サブタイトルに、「業績を上げ続けるための60則」 とあります。
書店で吉越さんの著書を読んでみたいけれど、どれにしようかと探していたなら、絶対手に取ることはありませんでしたね。
でも、読んでみて、これは誰にでも読んで欲しいと思いました。
だまされたと思って「はじめに」だけでも読んでみてください。
おそらくそこには「うん。うん!」と相槌をつきたくなることが書いてあるはずです。
さらに、
社長がタメなら自分が社長になって理想の会社をつくり、結果を出せばいい。誰にだってその資格はある。
(中略)
能力だって、初めから社長になれないだろうなどというひとはほとんどいない。
<本文より引用>
いっそのこと自分で社長をめざしてしまえ!
吉越さんはそんなことも言っておられます。
うーん。そう言われても・・・
私にはそんな気は毛頭もありません。
でも、この本はそんな人でも読んでみて欲しいのです。
社会人として これからを生きてゆく人にこそ読んでほしい
目次を読んでみると、すべて「社長-」という言葉から始まっています。
でも書かれていることは社長だけにあてはまるものではありません。
社長になるには、準備ができるのだ。
(中略)
「どうしたら上司に気に入られるか」とか、「社内の評価が上がるか」といった、目先のことにとらわれないほうがいい。
それよりも、将来自分が社長になったらどうやって売上を伸ばすかを考える。
<本文より引用>
社会人となり、入社してある程度の年数がたった頃から、『今の立場に関わらず、常にもっと上の立場から物を見よ、判断せよ、そういうクセをつけろ』と、当時の上長に指導されてきたのですが、それをさらに上げて、社長の立場から考えるように と吉越さんは書いています。
この考えをもって日々を過ごしていたならば、もうちょっと違う会社員生活を送れていたかもしれませんね。
営業をしていた頃なら、さらに業績を伸ばせていたかもしれません。
もう少し早く この本に出会いたかったですね。
特に社会人になりたての頃は目先のことにとらわれがちです。
しかし、仕事にも職場にも慣れたならば、もっと上の立場から物事を捉え、考えられるような努力を重ねてゆくことはとても大切なことだと思います。
自分ならどうする? 自分の先輩や上司、経営陣はどうした?
その経験を重ねるうちに、広い視野も身についてゆくでしょうし、情報収集も必然的にできるようになってゆくはずです。
たとえ仕事の仕方で上司に何か言われたとしても、自分の考えとしてしっかりと述べることもできるでしょう。
そういった様々な経験こそが財産になると吉越さんも書かれています。
他にも 『仕事人間になるな』 『仕事はゲーム』 『コミュニケーションの技術を磨く』 『仕事が厳しい=ブラック企業ではない』 『リーダーシップを身につけろ』 など、社長だけではなく、社長になりたいと思ったことがない人にとっても、社会人として興味ある言葉、大切なメッセージがたくさん出てきます。
社会人としてこれからを生きてゆく若い人にこそ読んで欲しい一冊です。
人生という「ゲーム」で利益を出しつづけるために 読んで欲しい
吉越さんは『仕事はゲーム』だと言っています。
この視点には驚きました。
でも、言われてみてなるほど!とも思いました。
人生もゲームだ と私は思います。
だから楽しまなければ損だと常々思っています。
泣きたい時もあれば、大笑いする時もある。
吉越さんはあくまでも「社長」という立場の人に向けてこの本を書いていますが、『単なる役職のひとつ』『会社の中で社長という「帽子」をかぶっているにすぎない』とも言っています。
社長だって1人の「人」なんです。
その人としての経験知(吉越さんは「暗黙知」と書かれています)の積み重ねで常勝する実力が身についてゆく。早道はない。と。
会社の利益を何があっても出し続ける人が社長ならば、人生というゲームで利益を出し続けるために努力しなくてはいけないのは自分自身です。
自分の人生にとっての利益は人それぞれ違うとは思います。
でも、これはそのゲームを楽しむための智慧とも思えるのです。
『習育』
『徹底してやる』
『続ける』
『できるまでやればできる』
これらの言葉は、何度も何度も、繰り返し出てきます。
社長として、また自分の人生を楽しむ者として、生き抜いてゆく「人生の掟」としてのメッセージに聞えてきました。